森風の隠れ家  ~ForestWind~

ファンタジー主義者な主の日々をつらつらと… 絵、ぬいぐるみとかの製作、ほしい人がいたら販売。と、色々とやってます。   前のブログのも少し引っ張ってきてます

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旅鳥と少年

これはある鳥の少女と旅人の少年の物語。

全ての始まりは少女の失踪事件だった。いつもと変わらないある日、少女は何の前触れもなく姿を消したそうだ。村の人達は少女がどんな存在かを知っていたので「熊にとられたのでは」「狐にとられたのでは」と騒ぎになったそうだ。

それから数週間がたったある日、失踪した少女の住んでいた家の玄関前に鷹と人の間のような姿をした少女が一人倒れていたのだそうだ。失踪した少女の母にはすぐに彼女が失踪した少女だと分かった。少女の母は少女を彼女の部屋のベットに寝かせて看病した。

少女はすぐに元気になったものの、どこか落ち着かないようなよそよそしい感じで窓の近くでじっとしていることが多かったそうだ。それから少ししてふらふらと出歩くことが増えてきた頃だった。村に一人の旅人の少年が訪れたのだ。彼に一番興味を持ったのは少女だった。

いつも少女は少年が話す旅の話を熱心に聴いていたり、少年の後を着いてまわったりしていたそうだ。そして少年が村を去る日が来た。少女はしばらく迷ったが、少年とともに行くことを決めたらしく少年の後を追って走り出した。人として今まで育てられてきた鳥の少女はこうして巣立ちの日をむかえ、今まで育った村から旅立った。

最初のうちは人に近い姿をとっていたがそのうち大きな鷹の姿をとることが増え、少年の後をついて飛ぶようになった。少年と少女は仲良く旅を続けた。旅を続けるうちに少女は少年を乗せて飛べるほどに大きくなり、鷹らしく立派にもなり鹿ですら捕れるようになった。

少女は少年を乗せて空をまう。そして様々な場所を旅した。行った先々で畑を荒らす鹿を捕ってお金をもらったりしながら旅をした。二人での旅はとても楽しかった。ふかふかの翼を布団代わりに星空を眺めながら眠ったり草原の上を風にのって滑るように飛んだりした。とても楽しくていつまでも続いてほしいと思った。

だがその願いは叶わないことを知っていた。ある日少年は逝ってしまった。親友の少年を失ってひどく落ち込んでしまった少女は何日も墓の隣から動こうとせず、飲まず食わずで座り込んでいた。

そんな少女がある日突然立ち上がってその場を離れたそうだ。見かけた人によるには今までと同じように、少年が生きていた時と同じように旅を続けていた。まるで少年がそこにいるように少女は振舞う。それでも少年はもういない。いつしか少女は少年の影を追うのをやめ、一人で旅をするようになった。少年と共に旅をしたときのことは忘れない。たった一人で旅をする。そんな旅を続けるうちにいつしか少女の羽は白く変わっていた。

作物を荒らす鹿を捕る白い大きな鷹の話は次第に広まり、いつしか畑の所々に止まり木として背の高い柱が立てられるようになった。そして少女はというと作物を守る豊作の神の使いということになっていた。鳥居から鳥居へと渡り、柱から柱へと飛び回る。そんな日々がどれくらい続いただろうか。長い間そうやって旅を続けてきた。そしていつしか少女は生まれ育った村、少年と出合った場所に戻ってきていた。

鳥居の上から初めて少年と出合った場所をぼんやりと眺める。目を閉じて風の音に耳をかたむける。ただただ風の音だけが聞こえてくる。

ふとすぐ隣に誰かがいる気配に少女は目を開けた。そこにいたのはもう二度と会うはずのない少年だった。少年は優しく笑って少女の頭を撫でる。それから鳥居に腰掛けて二人は少女の羽が白くなっていることや一人での旅のことなど時を忘れて話した。そして話を終えると少年は立ち上がって少女の頭に手を置いた。

…おつかれさま…

…もうお役目は終わったよ…

…また一緒に旅をしよう…

少年はそう言うと優しく笑って手を差し出した。少女はうなずくと手をとった。



その日少女は旅立った。通りかかった村人が発見したときには少女は鳥居の下に落ちていて既に息はなかったそうだ。その傍らには少年の墓に入れたはずの首飾りについていた石が砕け散った状態で落ちていたそうだ。

少女は少年と同じ墓に入れられることになったそうだ。そのさいに墓は二人が出会った場所に移されたそうだ。


「お仕事終わった?」

「うん。終わった」

「そっか。じゃぁあの二人もう少ししたらおきる?」

「多分ね。でも今は休ませてあげよ。やっと長いお役目も終わって再開できたんだから」

何処までも続く草原にある一つの泉、その中央に生える一本の木、その木の中にいるそれと外にいるそれはそう言って泉のほとりで眠る二人のことを眺めていた。


…完…






あとがき
  ↓


よんでくださりありがとうございます。これはいつだったかは覚えていませんが実際に見た夢をもとに書いた小説のような夢の記録です。雰囲気としては小さな子に語り聞かせているような感じで書きました。

最後の方で「」つけた台詞、あれはリオともう一方のほうですね。ま、そのうち絵で書くかもしれない風景ですな。リオともう一方のほうがいる場所とか。
[ 2012/11/21 02:11 ] 小説(短編) | TB(0) | CM(0)
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